Sim Letter

シミュレーションセンター通信

新人看護職員技術演習  ~複数患者の検温~


平成28年6月28日新人看護職員技術演習として、複数患者の検温について、シミュレーションを行いました。

 

「検温の技術??」「体温計を脇に挟んでもらうのに、技術なんて必要?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

このシミュレーション教育の中で求めている検温は、単に熱を測るだけではありません。

患者さんに合わせ、優先度を考えた検温とはいかにあるべきか、

患者さんが今どういう状況なのか病態・治療方針等を理解したうえで、

目的をもって検温(観察)することの重要性などを踏まえ、検温という行為を通して看護を考えることにつなげていきます。

 

シミュレーションを終えて、全体共有の場では「検温だから~と何も考えず測っていたことに気づいた」

「検温はルーチンワークではない・・・」「患者さん個々にその優先順位がある」などの意見が聞かれ、

多くの気づきを得ることができた様子でした。

 

また、終了後のアンケートでは、全員が「現場で役立てることができる」と答えていました。

「患者さんには今、どんな症状があり、何を観察するべきか?を整理しながら、どんな看護ができるのか考えていきたい」

「データだけを見るのではなく患者さんの表情がいつもと違うな、という五感を使いながら情報を得ることの大切さ、

それらの情報を流さず、病態のアセスメントにつなげていきたい」と、今後への意欲を示していました。

 

シミュレーションでは普段の患者さんへの関わりを垣間見ることができます。

患者さんへの声掛け、気配り等個々の傾向も含め、ちょっとした場面での、さりげなく光るやさしい言葉かけや配慮などなど。

デブリーフィングの中で「よかったところ」をグループメンバーからフィードバックされることで、

自分の強みに気づき、それが小さな自信につながっていくように感じています。

 

今後も新人看護職員技術演習は続きますが、様々なシミュレーションを通して、

「看護」を考え振り返る機会となるよう、サポートしていきます。

技術演習の様子




2016.08.05



シミュレーション教育指導者育成セミナー STEP1 報告 ②


1日目のセミナー終了後、希望者のみで茶話会『まてなへあ』を開催しました。

阿部先生は、シミュレーション教育の他、『まてなへあ』という寺子屋で看護を語る取り組みをしています。
『まてなへあ』というのは、マザーテレサ、寺本松野、ナイチンゲール、ヘンダーソン、阿部幸恵先生の頭の一文字をつなげたものです。
茶話会には、受講生から6名、これだけは参加したいと市外から駆け付けた4名の方たちが参加されました。

初めにDVDを視聴し、ディスカッションをしました。
患者に対して、医師との見解の違いがあった場合、看護師として患者の思いを伝えていけるか、
患者をはさみ看護師、医師の関係について考えることができるテーマで、看護の原点にもどり考えることができるものでした。

後半は、パトリシア・ベナーの「新訳版に寄せて」とい資料を全員で音読しました。
その中で、印象に残った一文を紹介します。
「優れた実践は、経験による学習に依存しています。経験から学ぶ、ということは、実際の臨床の場では、予期しなかった反応や、
過失、期待に応えられない体験もあることを示唆しています。技能の優秀さは、完璧な業務や過失が全くないことを意味しません。」

若い看護師たちの「予期しなかった反応、過失、期待に応えられない体験」をつらい、忘れてしまいたい体験にさせるか、
学習に繋げる体験とさせるかは、その場での振り返り(デブリーフィング)が重要だと阿部先生は話されていました。
デブリーフィングはシミュレーションの場面だけのものではなく、むしろ現場でしていくことが重要であると。

シミュレーション教育においても、現場においてもこの「相手が気づき、学びとして実感できる振り返り=問いを投げかける」
~これがなかなか難しいのですけれど・・。
このあとのSTEP2・3で、学んでいければと思います。




2016.05.17



シミュレーション教育指導者育成セミナー STEP1 報告 ①

 

平成28年4月9日、10日のシミュレーション教育指導者育成セミナーSTEP1が終了しました。
多数のご参加をいただき誠にありがとうございました。


このセミナーは、看護師の臨床実践力を向上させるための教育手法としての、

シミュレーション教育を展開できる指導者を育成することを目的に行われ、全道から定員を上まわる41名の参加がありました。


講師には、東京医科大病院シミュレーションセンターの阿部幸恵センター長(教授・看護師)をお招きし、

シミュレーション教育の基本(講義・演習)を学びました。


講義と学習者体験を実施し、後半は各グループでテキストのシナリオを再構成しシミュレーションを実施するという内容でした。

グループワークではブリーフィングルームから各自机と椅子を移動させ、センター全体にグループが散らばりました。

同時に先生もグループ間を飛び回りアクティブな場となりました。


グループワークの様子


⇒②へ続く。

 

 

2016.04.28

 

 

シミュレーション教育指導者 育成セミナーのご案内

 


シミュレーション教育指導者 育成セミナーを当センターにて開催致します。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。

 

内 容

シミュレーション教育指導者 育成セミナー STEP1▶︎2▶︎3

STEP1 知っておきたい指導の基本

STEP2 効果的なシナリオつくり

STEP3 デブリーフィングのスキルアップ

 

講 師

東京医科大学病院 シミュレーションセンター

センター長・教授 阿部 幸恵 先生

 

受講対象者

STEP1~3 まで全て受講でき、かつ、シミュレーション教育を組織的に導入している、

今後 導入を予定している教育担当者。

施設内で効果的に実践するために複数名(1施設2名)での参加をお勧めします。

 

応募人数

40名

 

受講料

STEP1~3 全ての受講料 = 1 名 40,000 円 (税込)

2 名で申し込みの場合=2 名 70,000 円 (税込)


申込方法

申込用紙を使用し、FAXにてお送りください。受講決定後通知を致します。

応募多数の場合は、抽選となりますのでご了承ください。


お問合せ

セミナー担当・連絡先  クリニカル シミュレーションセンター 岡山 深雪
TEL:011-218-3337 FAX:011-218-3338

〒060-0031 札幌市 中央区北1 条東1 丁目2 番5 号 カレスサッポロビル7F


Sim Letter トップへ

2017年 記事一覧